週┃刊┃ 第29号
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┃ ○○■○○○○○■■○○○○○○○■○○○○ 2004.3.17発行 
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■          連 載 Ⅲ (最終回)
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 「シックハウス」のお話
C組・粟屋 光弘
株式会社 三菱地所設計 構造設計部

その3  これからの家


三菱地所グループの住宅メーカーに三菱地所ホームがありますが、そこは9年前の1995年に「エアロテック」という商品名で、24時間全館の冷暖房と換気を家
中くまなくできるシステムを搭載した住宅の販売を開始しました。
エアロテック開発の直接的な理由は、高齢社会における住まいの確保に、せめて入院せざるを得ない状況になるまでは、自宅に住み続けられる住まいを提供したいと
の発想でした。
15年前の1989年、エアロテック発売の6年前に遡ります。
当時、「寝たきり」がいないと言われた北欧先進国の住まいを視察して、全館の空調をしていない建物が無いということが発見でした。
高齢になって車いすで生活する人たちが、厳寒の地でもゆっくりと着替え、トイレに入り、入浴ができる住まいがあること。
これが、「寝たきり」にならない必要条件であることに気がついたのです。
しかし、日本の特に首都圏以西のほとんどの地域は、冬寒く夏暑いという先進地域では珍しい、ある意味非常に厳しい自然環境にあるということができます。全館の空調をしたくても、暖房と冷房の両方ができるシステムは、アメリカ型のダクトによるヒートポンプタイプエアコンしかありません。
しかし、これは大型で設置場所が難しく、騒音が大きく、エネルギー消費量も莫大で、電気代もアメリカのように安ければ良いのですが、日本では大変なランニングコストになってしまいます。
日本には日本に合った、コンパクトで省エネ性の高い独自のシステムが必要です。
この開発を三菱電機が行うことになり、三菱地所ホームが全面的にバックアップをしました。
コンパクトな機器で省エネ性が高く、尚かつ快適な住まいとするためには、このシステムとマッチした建物の断熱気密性能、建築設計サイドのノウハウ、施工上の技術開発、アフターの体制や、将来の修繕、機器の入れ替えまで、住宅メーカーとしての数々のノウハウも必要でした。
機器と建物の一体的な開発により、エアロテックが発売されるまでに多くの期間を要することになったわけです。
この住まいは、暖冷房にかかる年間のランニングコストが9万円と安いことも重要なポイントですが、暖房や冷房をゆっくりと、風を感じない程度に行うことができ、暖房や冷房を必要としない季節も、暖房や冷房時と同じようにゆっくりと家中に新鮮空気を行き渡らせることが可能です。
この考え方のおかげで、セントラル換気システムの欠点である、場所による換気の善し悪しの差がありません。
温度にこだわった結果、きれいな空気も理想的に解決できたことになります。窓を開けたい時はいつでも開けられ、暖冷房時や夜間、雨天、強風など、しかたなく窓を閉めているときも、快適な春に気持ちよく窓を開けている状況を実現できます。
さらに、高性能フィルターによって、花粉や粉塵のほとんどを除去して、新鮮な外気を外気以上に新鮮にして室内に取り込み、室内を循環する空気も、常にフィルターを通過しながら各室に送られるので、自動的にホコリの清掃を行っているようなものです。
換気扇を回しっぱなしにして、いつも窓を開け放しているのと同じ住まいに暮らさざるを得ない基準法改正以降のほとんどの建物に対して、まさに「これからの家」と呼ぶにふさわしい住まいと言えるのではないでしょうか。
以上


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